音楽とどう付き合っていく?

折角なので音楽の話題をもうひとつ。
何だかんだ音楽業界は著作権にうるさいため、ユーザーの端くれでもある俺は色々関心を持って音楽と著作権や金の動きについて調べてきたことがあるので、それを適当に買いて行こうと思います。

1、音楽コンテンツをどう手に入れるか
昨年秋から著作権法が改正されたってのは何遍も言っているわけですが、たとえば、それまで無料で違法にアップロードされていた楽曲をダウンロードする、すなわち違法ダウンロードしていた人間はどう楽曲と付き合うべきか。

新品でCDを買おうとすると、シングルなら1200円、アルバムなら3000円程度ってのがポピュラーだと思います。冷静に考えると結構な出費ですよね。CDシングル1枚でラーメン2杯はいける。アルバムだったらイタ飯のランチで二人か三人は食える。

しかし、そんな金払ってまで音楽を聴きたくない、という人は多いと思います。
そもそもCDは昨今はファングッズの側面が強くなり、アニメソングのCDがランキングに現れるのも、その裏返しではないかと思っています。
CDを買ってまで聞こうと思わない、そういう人たちを俺は「ライト層」って読んでいます。

先日、コンテンツ供給過多の話をしましたが、物によって優先順位をつけ、この作品にはこれくらいお金出せるけどこれには出せない、とか、この作品がもっと手が届きやすかったらいいのに、って思っている人はかなり多いと思います。昔だと趣味がもっと大雑把で流行の力っていうのが強かった印象がありますが、最近は逆に細分化していて、友達同士でCDを貸しあったりする習慣って、昔ほど活発じゃないと思うんです。ゆえに、有限の金をどう使うか、以下に金をかけずに楽しむかが味噌になってくるわけで。まぁなんで時間余ってるんだか俺は知らんけど。
そんなわけで、ライト層も必然として多くなる、って思っているわけですが、ライト層は、
「a.定価では買わないにしろお金は落とす」
「b.お金を微量なら落とす」
「c.お金を落としたくない」という値段の点から3パターン、
「I.現物を抑えたい」
「II.現物にこだわりはない」のコレクター欲で2パターン分別できると思います。
で、思うに彼らがどう音楽と付き合っていくかというと、
a+Iは美中古のCDを買う
a+IIは音楽配信サイトでガッツリと大人買い
b+Iはブックオフなどで250円以下のゾーンを探索
b+IIは音楽配信サイトで気になる曲だけピンポイントで買う、レンタルCDショップで借りる
c+IIは図書館でレンタル
って感じだと勝手に思っています。まぁ、全部俺が作品ごとにどういう付き合いをしているかって話で書いてるんだけどさ。
ですがまぁ、こんな感じで、お金を掛けずに音楽を楽しむ方法は結構あるよって話しです。


2、音楽の金
さて、上記のお金の動きを言えば、
中古で購入→権利者にお金はダイレクトに行かない
図書館→同上
レンタルCDショップ→微々たる物だがお金は権利者に行く
音楽配信サイト→内訳はわからんけどお金はいく
って感じになっています。クリエイターにお金を落とすべきって考える人は、新品で買うか、お財布にやさしくするならレンタルか音楽配信サイトってことになりますね。逆に、コンテンツを楽しむだけでいいって人は、図書館や中古を積極的に利用すれば、かなりお財布にやさしくコンテンツを楽しむことができると思います。

しかし、著作権法の改正の際、色々話題に上がるのが、
果たしてCDビジネスは本当に音楽の楽しみ方として正しいのか
ということです。そもそも録音したものを聞くって言うのは、音楽の楽しみ方の一形態でしかなく、それを主流として推されているのがおかしいという人もいますが、まぁそういう人はエジソンでも恨め。

それに、CDのお金の流れは、まぁ俗に言う印税が演奏者、歌唱者に1~3%くらい、と聞き、半分ほどがレコード会社などに持っていかれるという指摘もあります。
しかしまぁこれはCMとかはどこがやるんだって話で一概に「それはおかしいだろう」といえない数字だと思います。もしかしたらCD販売店やケース作成のお金が行く事がなさそうな音楽配信サイトのほうが、権利者には行くお金の割合は高いかもしれませんね。
しかし、アーティストがCD以外で収入を得られる機会というのでもうひとつ主流のものがあり、それがライブです。ライブはCDなどと全く違うのは行った事がある方なら同意してくれると思いますし、たとえ違法にアップロードされていても、やはりその場にいるかいないかで全然違います。
ライブはそのときそのときの空気があるので、家でふんぞり返ってるだけじゃけっして味わうことのできないものがあると思います。
あえてライブの模様を一部公開したり、生配信サイトなどでライブを中継したりするアーティストがいるのは、逆にライブの集客に一役買うかもと思っている部分があると思います。
ただまぁ、人数や抑える会場やサポートメンバーのギャラとか云々かんぬんで、どれくらいの収入が発生するかは全く知らないですけど。
ただ、CDと違って、体感できる音楽の殆どにお金を掛けるという意味では、本当の意味で「音楽にお金を払う」ことになると思います。

3、これからの音楽のユーザーと金
web2.0という言葉がはやり、Youtubeが持ち上げられ、一方著作権の問題が話題になった時代に出た書籍(タイトルは忘れた)に、以下のような未来予想がありました。
Youtubeにアップロードされた曲をユーザーは無料でダウンロードし、アーティストはカラオケで歌われた印税や、ライブ収入で生計を立てることができるようになる日が来るかもしれない」
詳しく覚えていないけれどこんな感じ。
これはフリーミュージックの理想的な形ではありますが、アーティストが作詞作曲していないとカラオケでの収入が見込めないのと、果たしてライブでどれくらいの収入があるのか、本当にケースバイケースで想定がつきにくいって事があります。が、音楽の無料でのダウンロードが駄目なのではなく、逆にそれを利用して新たなビジネスにしていこう、って発想には納得させる力を感じたのも覚えています。

実は、それに近いモデルができつつあるケースがあります。

それが何かといえば、ニコニコ動画。ちょっと前のアップデートで、「NicoSound」という、アップロード者が許可した場合に限り、動画で使われている音声をダウンロードできる機能が追加されました。
ニコニコ動画Youtubeは、JASRACJRC包括契約を交わしており、それらに権利が委託されている音楽が利用された場合、委託された会社を通じて権利者に分配金が行くことになります。
もし、自作の曲をニコ動にアップ、JASRACに委託し、ダウンロードOKにした場合、おそらくダウンロード数にOKじて分配金が行くことになるでしょう。つまり、遠まわしにニコ動から金をもらえることになりますね。
もっとも、ダウンロードOKにするのにはプレミアム会員であることが条件のため、月額525円が必要になりますけど、それによって擬似的に曲を売ることになるし、アップロードした楽曲がカラオケで配信されれば、ユーザーは無料でダウンロードし、ダウンロード数に応じて作成者にはお金が入り、カラオケで歌われればまたしても金が入る、ということになります。
一体全体どれくらいお金が動くのかはわかりませんが、「金が動く」という事実だけ見れば、近未来予想だったことが現実になりつつある、というのは非常に面白い話だと思います。
ライブと同じく、これも「音楽にお金を払う」というモデルに非常に近く、ダウンロードするだけならユーザー側にお金の負担が発生しないというのが味噌ですね。


金とユーザーや権利問題、レコード会社など色々な要素が絡み合う音楽業界ですが、今後どのようになっていくのか、楽しみにしたいと思います。

もっとうまい文章書けるように努力するんで誰か俺をポスト津田大介として雇ってください。