フラゲ情報の拡散は何が問題なのか〜fromデジモンアドベンチャー:情報解禁〜

ご無沙汰しております。謹賀新年今年もよろしく。まだ一月だしこの挨拶でセーフでしょ。

さて、デジモンアドベンチャー:の製作、放送日時等の情報が発表されました。
俺はVジャンプを買ってないもので、情報そのものはシネマトゥデイやナタリーなんかでチェックしました。

でもですね、Google Chromeが優秀過ぎて、これらの記事を見る前に、新作アニメがやるってことは知っちゃったんですよねえ。
Google ChromeAndroid版(iOSの確認ができないだけで多分リンゴにもある)は、オススメ記事と言って、検索履歴や閲覧履歴を基に、ユーザーの関心の有りそうなニュース記事をせっせと持ってきてくれる機能があります。
自分でフィードリーダーRSSを登録する能動的なものと違い、ある種近未来的な受動的デイリーミーであり、俺は結構この機能を重宝しています。
ボヘミアン・ラプソディ見たあと、今日に至るまでQueenの記事が提示されてるし、ここ最近はもっぱらスターウォーズこの世界の片隅に
で、そんな感じで俺の趣味思考興味関心を分析し先回りするように記事を提示してくるこのオススメ記事機能で、まーんまと新作アニメがやるって言うネタを、タイトルだけでも掴まされてしまったわけですよ。
ここまで来るとマジでやり過ぎだよ。俺はそこまで求めてない。

そんな経緯で結構ピキッとは来てたのですが、タイムラインではより過熱したフラゲのネタバレ論争がなされていたので、一気に素面になりました。

素面なったついでに、一体何でフラゲのネタバレが駄目なのかって話を整理していきます。

法的問題(著作権侵害

兎にも角にもネットの法律違反といえばこれ。
フラゲのネタバレに本誌の記事のスキャンデータが伴う場合、確実に著作権侵害になります。
著作権法に多少詳しい方なら、引用要件満たせばオッケーじゃない?ってツッコミがあるかも知れませんが、そうも行きません。
あくまで未公開の著作物の場合、それらを公開前(この場合は発売日前)に公開する行為は、著作者人格権の一つ、公表権の侵害にあたります。
加えて、そもそも引用って規定の中で「公表された」ってちゃんと書いてるから、こればっかしはどんなトンチ捻っても厳然たる事実としてアウト。
引用要件を満たさないので複製権、公衆送信権の侵害にも該当。
清々しいまでの侵害行為ですね。まっくろくろすけですわ。
で、ここまでは情報アップ者の話でしたが、加えて、(本人の認識としては二次的に)それら掲載されたサイトを見た人間が画像データを保存し、SNS等で画像つきでつぶやいた場合を想像してください。当然、これも侵害行為に当たるわけです。

メディアリテラシーの問題

次に掲げたいのが、メディアリテラシーです。
俺はインターネットを利用するに当たり、デマがとにかく嫌いで仕方ないのですが、それ故、常々メディアリテラシーの重要性を噛み締めてます。
今回の件がメディアリテラシー的にどうなのかから考えましょう。
まず情報の出処と拡散の経緯。
フラゲ情報とされるものがまず匿名掲示板に掲載、ネタバレまとめサイトに掲載、ツイッターでそれらに言及、更にはアップされてた画像を貼り付けツイートするやつ多数、そしてそれらが小さな火をつけ、ゴミクズクソアフィブログ(この場合、はちま、刃、やらおんの総称です)がまとめて更に情報が拡散、ついには本来発表予定だったVジャンプの発売日前、19日にトレンド入りするという流れ。
これを受け、タイムラインは荒れに荒れまくっていた訳ですが、そりゃ荒れますわね。
俺が指摘したいメディアリテラシーの問題としては、検証可能性の低い情報は流布するべきではない、という点です。
ウィキペディアで見るワードトップ5に入りそうな単語、「検証可能性」ですが、要はその情報が何処にあるか分かり、実際に閲覧することでネタ元が担保されてるよねって検証できるかどうかってことで。
今回のフラゲ画像は結果としてマジネタではありましたが、発表されるまでは紛れもなく検証可能性が低い情報だったと言えます。
検証可能性が低いと何がいけないかと言えば、その情報が誤りやデマや創作であっても誰も気づけないことにあります。
つまり、検証可能性が低い情報の拡散と言うのは、それだけ誤った情報が蔓延する可能性につながるのです。
災害時のことを思い出してください。
ありがちなネタですが、自身や身近な人物の体験談として、やれ外国人窃盗団だの火事場泥棒みたいな話、テンプレのように出るじゃないですか。
この手のネタは検証可能性が低く、報道機関が取材し裏取りしたり、警察の発表がない限り、真偽判断ができないわけです。
いわば眉唾なネタなわけですよ。それを話題にするなとまではいいませんが、せっせせっせと拡散するのはあまりお行儀がいいとは言えない。
俺はこう言う眉唾のネタが自分の可視範囲に入る度、9年前の震災時のタイムラインやチェーンメールを思い出します。
検証可能性の低い情報を拡散することがどんなに滑稽で、時にはどんな迷惑をかけてしまうか、今一度想像してもらいたいところです。
そして、その観点で今回の情報の拡散の流れを見ると、薄ら寒いものを感じてきませんか。

企業の広報の効果を潰すモラルの問題

一言でいうと、てめえの血は何色だ、というお話で。
そもそも雑誌で初公開ってのがこのご時世にマッチしてるかどうかは議論の余地が大いにありますが、それをたてにフラゲネタを堂々とぶちまけることを是とすることは全く別な話です。
企業のプレスリリースは、水面下で報道機関なりニュースサイトに情報を渡して、指定した日にドッカンと打ち上げる、いわば綿密な計画をした打ち上げ花火大会みたいなものなんですよ。
それを脇から茶々入れて滅茶苦茶にするのは、褒められた行いではないのは自明の理だと思います。

終わりに

ちなみについっぷるとれんどに登録されてるフォロワー600程の一般ユーザーのツイートを参照すると、書いた時点で三万リツイートですって。
今回の問題三点、自分は影響力のないアカウントだから関係ない、とか思ってるとしたら、あなたは大きな勘違いをしています。
鍵アカならまだその免罪符をギリ使えなくはないでしょうが、公開アカウントなら、いつどんなときにどんなきっかけでバズるかわからないものなんですよ。
友人の飼っている猫の画像が急にバズったりしたこともありました。
また、俺はパクツイかどうかチェックする為に、拡散されてるツイートの発言者やつぶやいたクライアントサービスをしばしばチェックするのですが、ホントーに普段は普通の使い方してる普通のアカウントがいきなりバズってることも多々あります。
墓荒らしのように昔のツイートが掘り返される事だってなくもない。インターネットのアーカイブ性と公開性というのは、そういうものなんです。

また、こう言った望ましくない拡散は今後も起こり得ることでしょう。
そういったとき、検証可能性がある情報なのか、拡散していい情報なのかを一考してもらって、歯止めを掛けていくことも重要です。
ネットを楽しく使うためにも、頭の片隅にでも入れていただければ幸いです。