俺はどのように映画館を好きになったのか from 日本アカデミー賞

お久しぶりです。こいついつもお久しぶりって言ってるな。

日本アカデミー賞の受賞が発表されましたね。

ゴジラマ-1.0』は昨年は封切り翌日を含め計3回見ていた好きな作品だったので大変めでたい。

一方で劇場に2回通い、未だに思い返してあのシーンはこういうことだったんだろうなと思慮し続ける『怪物』が、カンヌで脚本賞をとっていたにも関わらず、脚本優秀賞に入ってすらいないことにずっともやもやもしていました。

とはいえ音楽賞は『BLUE GIANT』の上原ひろみが取るのは納得で圧巻ですし(Dolby Atmosと通常上映、リバイバル上映で3回見た)、主演女優賞は『怪物』で安藤サクラさんがとってますし、監督賞と主演男優賞では『PERFECT DAYS』(2回見た)なのはもうそりゃそうだろうといわざるを得ない。

優秀賞(=最優秀へのノミネート)で見ても『福田村事件』『市子』が並び、音楽の優秀賞でも『キリエのうた』の小林武史さん、『怪物』の坂本龍一さんが入っているので全体を見ればそこまで違和感はないかもしれない。

(いやーーでもやっぱり坂元裕二さんはいっててくれよー!って思いは消せねえやこれわ。)

是枝監督の作品は日本アカデミー賞の常連でもあり、『海街diary』『三度目の殺人』『万引き家族』と受賞してますし(その後はフランスで『真実』、韓国で『ベイビー・ブローカー』なので国内は『怪物』で久々だった)、一方で山崎貴監督の作品も『ALWAYS三丁目の夕日』『永遠の0』と常連でもあるんですよね。(ノミネートやアニメーション賞では頻繁にいる意味では是枝監督よりも常連)

だからこの辺は、作品賞に関しては全然納得してるんですけど。いやでもあれだなあ、見てないのにあれこれ言うのちょっとあれですけど、第44回で『Fukushima50』が脚本優秀賞に入っていたの見て、原作の著者に対して悪印象が強すぎる故に大分がっかりしたのはよく覚えています。

(加えて『本気のしるし』『スパイの妻』が完全にスルーされていたのもめちゃくちゃ不満だったので余計にキレ散らかしていたのもありますが、まあこれはテレビ放送の再編集と言われればそれは仕方がないけどそういうことじゃないだろって)

 

それ以降日本アカデミー賞の発表への温度感はちょっと冷めてたところはあったんですけど、多分これって俺が映画館に通う頻度が上がったタイミングに、好きな作品増えて、なんでうちの推しが世間に認められてないんだ!悔しい!みたいなメンタリティも強いと思うんです。

以上が長い前置き兼愚痴だったのですが、前段の裏付けがてら、俺の手持ちの映画半券から通った回数を見てみます。

2013が4回(全部『劇場版魔法少女まどか☆マギカ叛逆の物語』)

2014が3回

2015が3回

2016が21回(内『この世界の片隅に』が3回、『シン・ゴジラ』が4回、『君の名は。』は3回、『劇場版ガールズ&パンツァー』が2回、4DXに味をしめたり話題作などで複数回行くのが多かった)

2017が19回(複数回は通常と爆音とIMAXで見た『ラ・ラ・ランド』)

2018が9回(公私ともにかなりハードな年でした)

2019が24回(『ボヘミアン・ラプソディ』はそりゃ通常とIMAXと爆音です。あと昨年の反動)

2020が26回(複数回はミッドサマーのみ、この辺からタガが外れてきてた)

2021が11回(最寄りのMOVIX仙台が3ヶ月以上休館だった)

2022が19回(冬がいそがしかったや

2023が83回(開き直りました)

 

で、第44回って2020年の作品が概ね対象でこのときもだいぶ映画館行ったなあって実感はあって。この時にキレ散らかしていて、そして今年ももやもやしていると。見た作品の多さに符合するのでまあしょうがないのかなあと思います。見てない作品は世間の評価と興行成績でしか推し量れないですが、見た作品には自分の感想が乗っかっちゃう。

常々言ってることですが、面白い作品が売れるとは限らないし、主観的にも面白いかどうかと楽しめるかどうかは全く概念として違う。

だから、数字や賞レースなんて気にしなくてもいいのかもしれない。でも好きな作品は世間に認めてもらいたい。だから気にしちゃうんですよねえ。

 

ちなみに『ゴジラ-1.0』が最優秀脚本賞をとったのは不満はなくて、人間ドラマの絵的な見せ方に注文はあれどシナリオ的にきれいな作品だと思っています。

 

さて、結果的に自分がどんな風に映画館通ってきたかも可視化されたわけですが、俺が映画館に通っていったのってやっぱり2016年からなんですよね。

この年は先述のリピートした作品以外にも、『怒り』『ハドソン川の奇跡』『聲の形』『レッドタートル』と、日本に限らず賞レース作品も見れており、気になった作品を見ようというフットワークの軽さと、4DXを牽引力に映画館でしかできない体験にのめり込みだした時期でした。

また2017年からはIMAXの存在を知り音響の重要性を知り、利府でやっていた爆音上映会にも足を運ぶようになっていました。アトラクションとしての4DXから、音響体験に関心がシフトしていった時期ですね。

そしてこのあたりからラジオの趣味の一環で映画の紹介や感想コーナーを聞くようになり、『アフター6ジャンクション2』の前身でもある『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』での映画評を聞くようになったのもこの頃。(一緒に低みとかも聞き始めたけれど)

映画評コーナー『ムービーウォッチメン』は、ランダムであたった映画作品を対象にするため、興行や公開規模に関係なく、ミニシアター系の作品も取り扱っていたので、関心がそっちにも広がっていきました。

2018年は本当に気になった作品を時間の隙間を縫っていった感じで、その代わりこの時期の映画は後年配信で見ることが多いです。

また前年までは友人や家族と一緒に行くことが多かった流れから、一人で行くタイトルも増えてきました。

2019年はなんといってもボヘミアン・ラプソディでしたが、ほかにも「この脚本家なら行こう」「この俳優の演技なら見よう」「このアーティストの主題歌なら劇場で聞きたい」みたいな動機まで対象になりより気軽に映画に行くようになりました。

2020年は緊急事態宣言もあり映画館が強制的に閉館されたりもしましたが、『リチャード・ジュエル』『パラサイト半地下の家族』『ジョジョ・ラビット』『1917命をかけた伝令』『ブックスマート』『82年生まれキム・ジヨン』など外画が全部印象的で、その最たる例はやはり『ミッドサマー』でした。

また中島みゆきライブコンサートの劇場版3作品『歌旅』『一会』『縁会』や夜会『リトル・トーキョー』、爆音の『THEE MOVIE ミッシェルガンエレファント LAST HEAVEN』のように、映画館の音響で音楽を楽しむ快感もこの頃から。

2021年はビッグタイトルに全く触れず、ちょっと気になるなあってタイトルをことごとく逃していたので、シンプルに時間がなかったんだろうなあと。(といいつつ友人と自宅で映画鑑賞会は8作品くらいはやってた)

まあ逃していた要因に、自身の影響でMOVIX仙台が2〜5月は休館していたのもあったと思います。6月に復帰したときは記念に中嘉屋食堂でコラボラーメン食べたもんな。あとMOVIX利府も20年10月いっぱいで閉館、イオンシネマ新利府は3月オープンだから、半年間は映画館が少ない状況に置かれていたんだった。自宅の最寄りも職場の最寄りもそんなならそりゃ通えんわ。

2022年になるといきなり風向きが変わってきて、見たいタイトルが渋滞し始めます。ゴールデンウィーク以降、『Re:cycle PENGUINDRUM』やドラえもんの『宇宙小戦争2021』やコナンの『ハロウィンの花嫁』と見て、『シン・ウルトラマン』はIMAXDolby Atmos、ライブ音響と通常上映では逆に一度も見ていないという始末。

一方『流浪の月』『LOVE LIFE』『ベイビー・ブローカー』のように、その時見た映画ベストに挙げたい作品がいくつもあるような年でした。

2023年は『すずめの戸締まり』『RRR』と話題作を初っ端から見て景気良くスタートし、2月には新潟で金子修介監督のトーク付きで『ガメラ大怪獣空中決戦』を見たり、3月には見に行く映画館を大河原のフォルテまでエリアを拡大して『かがみの孤城』を見て、Dolby Atmosで『BLUE GIANT』『THE FIRST SLAM DUNK』と大満足していて、ゴールデンウィークもコナンの『黒鉄の魚影』や『グリッドマンユニバース』を見て、初夏までは割と通いまくってたんですが、盆の時期から初秋まで体が空かなくなり、フラストレーションがたまりました。

で、反動で10月以降は映画のスケジュールめっちゃ調べて料金の割引も網羅して(前記事参照)、月ごと10回以上ペースで行くようになりました。

あとカレンダーアプリの活用。

『アリスとテレスのまぼろし工場』『大雪海のカイナほしの賢者』『君たちはどう生きるか』など気になるアニメタイトルは全部見て、なんなら2回見て、秋からはもうデジモンリバイバルとビギニで計6回、そして11月からはゴジラ、ぼざろの恒星と怒涛の日々を送っておりました。

またこの頃は仕事ではカフェイン断ちしていましたが、レイトショーや複数回の映画見に行くときはカフェイン解禁して見てたりしました。とにかく気になるタイトルは見に行きたい、家じゃなくて映画館で見たいって強く思うようになってるんですよね。

家だと近隣の音、家族の干渉、集中力キレたときの他の動作への流れやすさと、結構集中できないんですけど、映画館ならそれが容易なので。

 

つらつら長く書いてきましたが、映画見るの楽しいし、好きな作品が評価されるの嬉しいから賞レースも見ちゃうのは今後も変わらないと思います。

今年は去年よりハイペースに通っていますが、チネ・ラヴィータがなくなるからどうなるかなあ。

また来年の今頃は賞レースの見え方が変わっているかもしれません。

歯医者に出かけなければ行けないのでこの辺で。

また気が向いたら衝動的にブログ書きます。それでは。