自転車マナーまとめ

ふと某動画サイトのランキングを見ていたら、こんな動画を見つけました。というかトップに上がってました。

【ニコニコ動画】自転車で江島大橋を渡ってみた(3倍速)

コメントは大荒れな反面、関連ツイートを見ると、割と牧歌的なツイートが並んでいました。んまあ、ランキングに上がったのは今日みたいですし、上がった理由もいきなり増えたコメント数と、坂がメディアに取り上げられたことによるものなんでしょうけれど。

俺は運動不足の解消、交通費の節約の意味で、自転車を大変重宝しています。
というか自転車乗るのがそこそこ好きです。じゃないと友人同伴とは言え、自転車旅行なんて絶対しません。

というわけで、コメントを見ていて思うところがあったので、普段俺が意識している交通マナーについて一通り書いておこうかと思います。
先に言っておくと、普通自動車免許を所持しているので、最低限の道交法知識はあるつもりですが、何分普段から条文読んでいるわけではないので、細かい用語の使い方が間違っているかもしれません、そういう場合は一報頂ければなと思います。

まず初歩的なマナーのものについて。

a.無灯火運転
正直、車と違って走行音も静かですし、服によってはかなり見えづらいので、「大丈夫でしょ」と思わず、ライトはしっかりつけて欲しいと思います。
ペダルが重くなる、って言う人もいますが、今じゃLEDライトが当たり前だし、電池で稼働するライトにすればいいのではって思います。最も、電池式で切れているのをつい忘れて夜間運転している人も多そうですが。

b.携帯見ながら運転
携帯注視するなら周囲を確認した上で停止してくれないものか。いや、なんというか、マップとか見ながらだとそうしたくなる気持ちはわかるんだけどさぁ、分かるんだけどさ。やっぱ、車だって本格的にマップ見るときは停止するじゃないですか、そこは、自転車だからって妥協しない方がいいと思うんです。

c.逆走(=右側通行)
自転車は車両なので原則道路の左側ですが、左側を通行中、堂々と正面から突っ込んでくるといいます。
これ、以前は危ないけど合法だったのですが、路側帯に限って言えば、右側通行は禁止になりました。(昨年十二月より)
あ、ちなみに、道路を見て右側ってことなので、路側帯の右側ってことではありません。むしろ、自転車は路側帯や歩道を通行する際、車道側を通行することが普通なので、路側帯内では右側でいいんじゃないっすか。右側の通行帯を行けってことです。
これ、坂とかだと勢いついて突っ込んでくるんで、勘弁して欲しい所です。

で、これらが基本的に注意しなきゃいけないマナーだと思いますが、問題はこれらが夜間に合わせ技で来ること
いやね、一つ一つは別に、こちらが注意すればいい事なんですけど、複合だと、どうしても、こっちの注意だけじゃ足りない部分が出てくるわけで。夜の自転車走行は、そういう意味では実は好きじゃないんですよねぇ。
飲み会に出るようになった故、夜出かけるときは自転車使わないか、行きで使ったのを帰り引いて歩くってのが多くなったので、最近はあまり縁のある話ではないですけど、たまーに夜自転車で出かけると、普通に見かけるので、結構肝を冷やす道中になりがちです。


次は、論争起きそうなところいっておきます。

一、イヤホン運転
若者がよくやっていると指摘されるこの問題、実を言うと、俺もイヤホンをしながら自転車乗ることはしょっちゅうです。というか、どうしても長距離運転するときは、ずっと風やエンジン音ばかり聞いていても、正直味気ないんですよね。
このイヤホン運転に関しては、大分ぼろくそ言われていますし、いい印象を持たない方が多いと思いますが、それだけで悪とされる風潮に疑問があります。
まず、イヤホンをつけた運転は法律で規制されているわけではなく、地方の条例によって定められているものです。よって、地域によって扱いに差があることになりますね。

富山県は、イヤホンをつけた運転、携帯電話の中止を明文化したそうです。(と、思ったら、これは北國の記者がよくわからず書いたのか、または後ほど条文が緩和されたのかはわかりませんが、昨年七月十三日の富山県の広報を見るに、以下に書く神奈川や宮城と同じような条文になってました。←リンク先pdfファイル)

一方、俺の地元宮城県はと言うと、安全な運転に必要な音が聞こえない運転には五万円以下の罰金と、ちょっと引っかかる条例文となっています。(平成二十一年度改正の告知)

これ、どういうことかと言うと、同じような条文の神奈川県に、県警察作成の分かり易い解説ページがありました。

そう、結局周囲の交通が分からないことが問題なのであって、イヤホン聞きながらの音楽が、全て悪ってわけではないわけで、神奈川県警の上述のページは、それを明確に記述した例なのです。
最初に俺がぶっちゃけたのも、そこら辺の調査を随分前にしたからであるわけでして。(ちなみに解説ページがなかったら交通課に電話するつもりでした)

イヤホン運転の問題は、周囲の音が聞こえない所なので、まず、カナル型、耳にずぽっと入れるタイプのイヤホンは、危険な可能性が高いです。(俺はインナーイヤー型がお気に入りで電車のような音漏れ気になる場所以外ではこのタイプばっかだから関係ない)逆に骨伝導イヤホンなんかが普及すれば状況変わるんだろうなあ。
また、両耳で高音量で聴いていることが問題なのであって、片耳の場合は、その限りでないということで。
周囲の状況が聞こえないというのはどのラインかと言えば、愛知県警の広報ページによれば、クラクションやサイレンが聞こえないくらい(リンク先pdf)、と言うことですが、個人的には、背後から来る車の走行音が聞こえるくらいに抑えておくと、より安全かと思います。
後述しますが、自転車は車道を走ることが基本ですし、自転車にはバックミラーがないので、故に車が近づいてくる音は非常に重要だと思います。
俺はこれらを総合的に考え、片耳イヤホン、インナーイヤー型でコードは服の内側を通し、かつ背後から来る車の音が聞こえる程度の音量で、音楽、ラジオを楽しんで走行しています。

二、自転車は車道が原則?
これ、ホンット面倒ですよね。何というか、自転車は道路交通法の定義上軽車両な訳でして、そういう意味では“車側”の乗り物です。で、その軽車両は、車道の左側を走るのが原則とされています。
ということは。自転車は本来、車道を走るべきなんですよね。
ならば歩道を走っちゃダメなのかと言えば、これはあくまで原則なので、例外はあります。
1、通行許可の標識のある歩道の通行
2、二重線でない路側帯(点線はOK)の通行
3、安全確保の為のやむをえない歩道の通行

ただ、歩道を走る場合は徐行が大前提となるので、ここは注意が必要です。
ですので、「自転車は車両なんだから車道走れよww」とかいう意見見ても、そんなん車道の広さによって変える話なのであって、原則から出れていない残念な意見だなと思います。
この記事書こうと思ったきっかけの始めの動画は、この「自転車は車道走れ」とか、かといって「車からしたら邪魔」「歩道を引きづって歩け」など、上述の3の“安全確保のためのやむをえない歩道の通行”を無視した意見ばかりで、正直ホントげんなりです。
動画に出ていた標識では、制限速度は時速四十キロメートルなので、基本車に追い抜かれることを前提とする必要のある道路なことが分かりますよね。と言うことは、道路の幅からして、必要に応じて歩道を徐行(もちろん降りて歩いてもいいですけど)するわけですが、歩道と車道の間にフェンスがあり、歩道に車道側から入るのは不可能です。
よって、最初から歩道側に入って徐行するのが、この場合の最適解に思えます。

1.26追記:あ、よく考えたらずっとフェンスがついているから、歩道はいるとしたら、途中から安全の確保の為に歩道入りましたって言うのちょっときついわ。とすると歩道は引っ張ってくしかないね。

最も、坂を下ることを考えると、車道でヒャッホォオーしながら下りたくなっちゃうので、そこら辺は気持ちはわかるんですけどね。その場合は車の邪魔にならないよう最大限の努力をし、なるべく早急に(車に追い抜かれやすい)登り坂を終え、車と並走できる下りに行けるようにすることが必要かと思います。

余談ですが、歩道が縁石で区切られているのに、車道の左側に一本の白線があることってありますよね。
あれは車道外側線と言って、ただの車から見た端っこの目安です。別に自動車があそこの内側に入ってしまっても基本問題もないです。(←と思ったら、判例ではぶれている模様、自転車は関係なさそうですが)最も、わざわざ入ってくるドライバーもいないので、車道外側線の内側が広い道路は、自転車乗る身としては非常にありがたい限りですけれど。

それともう一つ。歩道を通行すると、大体十字路等で段差があり、タイヤが非常に心配になるので、そういった点で、自転車は車道を通行することにメリットがあると言えます。
最も、道路によっては、車道と歩道の境に雨水溝による段差があって、勘弁してくれって思うこともありますが……


あ、あんまり関係ないですけど、自転車にバックミラーとウィンカー(方向指示器)を取り付けたら、もっと安全に運転できるのではないか、と思います。
バックミラーは自転車店に行けば普通においているので、興味のある方はどうぞ。
ウィンカーは教習員に話したら、「面白いけど、コスト掛かるしないだろうねー」と言われました。まあ電気使う必要あるしそれもそうか、電動自転車がデフォルトになれば、将来つくかもしれんけどなあ。
あ、ちょっと話違うけど自動車の動きの予測材料として、ウィンカーは本当に重視しているので、合図を出し忘れたり、曲がり始めた後、直前に出すのはホント勘弁してほしい。

締めに。
俺は免許をとってからと言うもの、自転車を運転する際に注意する所が確実に増えました。
これは道路交通法を学んだから、というよりは、その法の意義を尊重することが自分の身の安全、あるいは社会的立場の安全につながるからという方が大きいかと思います。
左折時の巻き込み確認、右左折時の前方後方確認、ミラー確認、追い越しの時の後ろ確認、これらは、免許をとるために教習所に行った際に学んだことですが、ペーパードライバーになった今でも、非常に大事な要素だと切に感じています。もちろん、他にも大切な要素はいっぱいありますよ。
ただ、皆が皆そんなに交通マナーを尊重しているかと言えばそうじゃないと思います。それ自体は、個人差がありますし(最低限守る努力はして欲しいですが)、俺だってイヤホンで音楽やラジオ聞きたいがために条例の穴を突こうと調べまくる姿勢は、決して褒められた事ではないと思います。
しかし、議論をするなら、まずマナーを理解することから始めないと、立場によってエゴが違う故に、議論にもなりません。スタートラインに立つ努力はして欲しいと感じます。

どうでもいいけど、のりりん買おうかなって思います。
以上ノリで書いた長文でした。