ここが変だよパソコン地デジ

とりあえずまず環境から。
チューナーはMC7-HZ3、USB2.0接続のコンパクトな地デジチューナー。
ソフトはWindows Media Center、以下WMCと記述する。
書き込む際に使用するのはCOREl DDR Move。ダンスダンスレボリューションではない。


まず、今回この記事では、パソコンで録画する地上デジタル放送の問題点、不満点、ひいては映像コンテンツのビジネスモデルへの疑問提起を書く。自分以外の環境がどんな事まで出来るか知らないので、あくまで上記の環境での不満。。
地デジ録画を使い始めてもう5年くらいは経つのかな。その間に、何度も不満点を感じることはあったけれど、そろそろそういうことを書き残すとともに整理しようかな、と思って書く次第。

・地デジ視聴における不満

1、HDCP
地デジをパソコンで見る際は、結構面倒な条件を満たさなければいけない。
まず、ディスプレイがHDCP対応の端子をもっていること。HDCPというのは、映像信号にロックを掛ける機能で、これに映像の入力側、出力側が対応していないと、ディスプレイで地デジの画面は映せない。
HDCPに対応している端子規格は、DVI-DとHDMIの2つ。D-subバイバイ。

2、オーバーレイ
そしてこれ、結構曲者でして、アナログ放送と違って、一切のキャプチャーを取れないんだなこれがまた。
スクリーンショットを取ろうとしても、地デジを移しているWMCのウィンドウは真っ黒。オーバーレイというそうな。
これが地味にうざったい。何かしら個人的にテレビ画面をメモしたいときにはそれも出来ないわけで。
ちなみに、携帯電話のワンセグではこのキャプチャ機能が普通に使える。携帯でさえ出来ないことが、パソコンは出来ないなんてチャンチャラおかしい。クソ仕様。

・地デジのダビング・録画における不満

1、ダビングテン
地上デジタル放送の録画データは、アナログ放送の録画データと違い、強力なコピーガードがついている。
それがダビングテン。名前の通り、10回しかコピーできないというのが仕様。
これ、本来はコピーワンスというコピーガードが地デジ発足当初は採用されていたようですが、私的複製の権利に、1回光学ディスクに移すだけではろくにつかえたもんじゃない、ということで、ダビングテンに変わったそうな。
がしかし。
これがアホみたいに使えねぇ。
まず、基本的にコピーできるのはDVDやBDといった光学ディスクのみ。いまやタブレットスマホ、さらにPSP3DSといったゲームハードでも動画を楽しめる時代に、光学ディスクのみ。ぶっちゃけありえない。マックスハー
一応、ゲーム機や携帯電話には、ワンセグで録画したデータはムーブ出来るようですが、パソコンで見るにはちょっときつい画質になるわけだし、その上ワンセグ用のチューナーを買わなきゃいけないしで、メリットは少ない。
なんだ?このクソ仕様。

2、CPRM
Control Protection for Recordable Media の略。要はコピーコントロール
この規格に対応しているDVDドライブで、この規格に対応するDVDやBDメディアでないと、先ほどのダビングテンによる書き込みさえ出来ない。
また、仮に書き込めたとしても、PowerDVDWinDVDのような有料の動画再生ソフトが入っていなければ、パソコンで再生できない。正確に言えば、このCPRMに対応している動画プレイヤーでなければいけないそうな。
もちろん、パソコン以外の機器で再生する場合も、機器がCPRMに対応している必要がある。
つまりそれはね、DVDプレーヤーが古かったら、再生できないって事なのね。はいクソ仕様。

3、録画開始時間の調整
これは使っているソフトの仕様なだけかもしれないけれど、地デジは録画の開始時間、終了時間を少し早くしたり遅くしたり出来る。
要は、ちょっとパソコンの時計がずれたなんてときには、最初の部分が録画されていない、なんてことになりますが、それを防ぐことが可能な訳。
が、この際に早く出来る最小時間は1分。一方で、地デジの録画って言うのは、10分で1GBちょっとは消費しているので、実質1分でも100MB以上の用量を使うわけで。保険は掛けたいけれど、無駄は生みたくない。そういったニーズに、現環境は答えてくれない。
うーん、これはもっと便利になって欲しいもの。切実に。

4、録画ファイルの再生条件
なんというか、ね。USB3.0を導入するとき、色々とドライバが一部変わった部分があったのよ。
で、その後、昔の地デジ録画データを再生しようとしたらさ、出来ないわけだよ。
どうやら、「別なパソコン」と認識されたらしく、その場合は、録画したファイルは再生できないと。
もうね、アホかと。マジありえないって。これって要は、自作パソコンする人なんかは、CPUが変わったらもう過去の録画データはお陀仏な訳じゃん?録画自体はそんなにマシンパワー必要ないですが、書き込みの場合はそうではありません。そういった際にスペックアップしようものなら、そもそも元も子もない。
言うまでもなくクソ仕様。っつーか理不尽。


とまあこんな感じで地デジってのは色々と厄介。普通のビデオの録画と比べてあまりにも面倒。
メリットはそれこそ画質くらい。がしかし、電波環境がよい場所のアナログ放送だったら画質なんて十分だし、それに対してこの仕様のめんどうっぷりは尋常じゃねぇ。ホント制度考えたやつは、ユーザーを仏と思っているおめでてーやつか拝金主義者かのどっちかだろうとさえ思えてくる。
んでもって、こんな上体に追い討ちを掛けるのが、リッピングの違法化。
先述の通り、ダビングテンCPRMはすっげー面倒な仕様ではあるものの、コピーガードを回避して映像を複製する「リッピング」をすれば、あっという間に利便性が向上する上、高画質はそのまま。ベネ。
がしかしね。コピーガードを解除しての複製=リッピングはさ、違法なんだな、現代の日本では。
希望は経たれた。なんだよこのクソ環境。

ぶっちゃけ、リッピングが違法になった時点で、もっとユーザーの救済措置は取るべきだったと思う。
例えば、何回も話題に上げた音楽業界だけれど、音楽配信サイトはDRMフリーの動きが加速しているし、っていうかListenJapanがそうなった時点で、mora、iTunes、AmazonMP3、レコチョクを含めた5つのPC向け音楽配信サービスサイトは全てそうなっているわけで。
それと比べてさ、この地デジのざまは何?ユーザー舐めてるの?

例えば、俺の希望ですが、こんな理想像がありまして。

1、映像コンテンツの電子販売促進
タブレットスマホ、ゲームハード向きに、映像コンテンツをダウンロード販売する。
できるだけ安価で。
ひとつの作品を買った際、色々なハードで合計10回くらいダウンロードできるようにする。これはダビングテンの考え方に合致するし、ハード間の壁を越えて楽しむことが出来る。
また、スマホのみ、ゲームのみで再生できるものの料金を安くするなどして、気軽に買ってもらえるようにするとよし。

2、映像ソフトへ上記ダウンロードサービスのコード封入
なんで円盤買ったのに、パソコンやDVDプレイヤー以外楽しめないんだって不満は現時点ですっげー出てると思うし、上記のようなダウンロードサービスが出たらなおさら。
それを回避するべく、上のようなダウンロードサービスを利用できるコードを封入するとよし。

3、地デジ録画データのロック方法の変更
ぶっちゃけ、アップロードブロックだけすればいいじゃん。マジで。なんでコピーそのものを制限しまくるわけだよ。
もうアホじゃねーのホント。だからといってコピー回数は10回なのはまあまだ納得するとして、満たさなければいけない条件が多すぎる。

4、地デジ録画データの書き込み可能ハードの増加
パソコンから直接色々なハードにコピー可能にし、その回数の上限はもちろんダビングテンのような規格に管理されるって言う仕様。いくらなんでも今のじゃ使いにくすぎる。


とまあこんな感じ。
絶対現時点じゃ地デジは不便。そもそも地デジ化そもそもに疑問を持つ声が多かったのに、いざやってこんな不便になってるんじゃあ訳が分からない。
こういう意見ってどこにぶつけりゃいいんだろう。民放連?総務省?電機メーカー?
どこでもいいから、とにかくまともなものにしてください。


追記:よくみたらポータブルデバイスの同期ってのがある。
これが地デジの録画ファイルを出来るかどうかはわからないけれど、そのうち試してみる価値はありそう。