ネットユーザーのための違法ダウンロード解説

まず大前提。
俺は法律に関しては微塵の知識も持っていない。そもそもどこにでもいる学生である。
その上、今から記述することは、出来うる限りソースを明記していきますが、時々俺自身の解釈、主張が入る事があります。
御注意ください。

そもそも違法ダウンロードとは何か。
元来、ダウンロードとはインターネット利用者が行う「複製方法の1種」のようなもので、それが私的な利用ならば、著作権法で定められる「私的複製」の範疇に収まる行為でした。
私的複製とは、自分で利用することが目的ならば、著作物の複製が認められるという内容です。
皆さんも、中学や高校で情報の授業を受けたことがあれば、引用、学校での利用、私的複製は著作権に引っかからない例外事項だ、といった内容を学習されたと思います。

しかし、2009年6月12日、参議院にて、著作権法が改定され、上記の「私的複製」に例外が付くことになりました。
制限される内容としては、コンテンツの種類としては「音楽」及び「映像」に限り、その上「違法にアップロードされているもの」をダウンロードすることが違法になったわけです。
これにより、最近騒がれている「違法ダウンロード」という言葉が出来上がったわけですね。
ちなみに、違法アップロードに関しては、著作権の「自動公衆送信権」の侵害に当たるため違法といえるようですね。
ソースを見れば分かると思いますが、施行は2010年の1月1日と、半年以上後となっていました。
また、罰則がなかったため、権利者が直接ダウンロードした人間を訴えない限り問題にはならず、かといって、星の数ほどいるダウンロード者を、権利者が一々訴訟相手に出来るといわれればそうでもないため、ネットユーザーは問題視しつつもさほどでもない、と思っていたように記憶しています。(ここが俺の解釈)

また、この時点でも「Youtube」「ニコニコ動画」や、それに追随する動画サイトなどでストリーミング再生(正確にはストリーミングではなく、これらはプログレッシブダウンロードというらしいが)を用いたサイトの動画データは、パソコンに一時的に「キャッシュ」と呼ばれる形で保存される。これは違法ダウンロードに含まれるのか否かという疑問がありましが、その疑問に関しては、具体的にちゃんと文化庁がきりっと説明しているページ(問10)がありました。キャッシュは違法ダウンロードに当たらないのです。
「キャッシュはセーフ、キャッシュからぶっこ抜くのはアウト」は、著作権の話が出るたびに俺が口癖のように言うことでした。。すっかり忘れていた。
キャッシュからぶっこ抜く、というのは、先ほど説明したキャッシュと呼ばれる形で保存されたファイルを、改めてパソコンの任意の場所にコピーし、本来一時的にしか残らないキャッシュファイルを、恒久的に保存する環境を作ってしてしまうことを指す。

ちなみに、俺はちょびちょびとしか読んでいなかったけれど、上記のダウンロード違法化までの流れをまとめているページがあるので、気になる方は参照してみるといいかもしれないですね。

時は流れ2012年。
聞くところによると違法になってもダウンロードは以前止まらないらしく、ダウンロードの違法化からまだ2年ちょっとだが、違法ダウンロードが刑事罰の対象となるという話を聞くようになりました。
そして、そんな話を聞いたと思ったら、違法ダウンロードに刑事罰が適用されることが決定しました。(2012年6月20日
違法ダウンロードの定義としては、上記で「私的複製の例外」と説明したもののため、新たに画像や文章のダウンロードがどうたらという文言はないです。つまり、違法に上げられた音楽、動画ファイルのダウンロードに刑事罰が付くということですね。
刑事罰の内容は昨今騒がれているので書く必要はないかもしれないですが、「200万円以下の罰金または二年以下の懲役」とのこと。これが妥当かどうかは俺にはよく分からないですが、「以下」って記述されているので、それはあくまで上限だし、「重い」と感じる人は、音楽業界などが抑止力の意味で刑事罰を導入することを期待していた(魚拓)ことを思い出して頂きたい。

また、よく誤解されていると思う(学校でもうんざりするほど訂正した)ことの一つが、Youtubeを始めとする動画サイトの視聴だけでも違法ダウンロードに当たる、という解釈です。

上記の内容をきっちり読んでくれた人なら分かるでしょうがそんなわけねぇだろといいたくなる。
もちろん、あくまで文化庁のコメントなんだから、最高裁でそれがそのまま反映されるわけがない、とかいう言い分はあるだろうし、そういった話ならば俺はちんぷんかんぷんなので言及しない(否、出来ない)のですが、
ネットや身近でよく見かける解釈は以下の通り。

Youtbeやニコニコ動画は、キャッシュという形でパソコンにファイルをダウンロードして再生する

でも、違法ダウンロードは刑事罰が付く

どうしようドラえもん!僕犯罪者になっちゃった

いやいやねーよ!そんな解釈しているお前ら、そもそも「違法ダウンロード」がどうして「違法ダウンロード」と呼べるようになったか、その時点での識者や国の解釈を聞いていなかったのかよ!
例え聞いていなかったとしても、そこらの誰が編集したか分からんまとめブログに書かれた、どこの馬の骨が書いたか分からないコメント1つでギャーギャーわめくんじゃねーよ!
もっとも、この文章を書く人間もどこの馬の骨か分かったものではないですけどね。でもまあ、ソースを書いているだけマシと思って頂ければと思います。

そんな感じで、著作権法は少しずつ姿かたちを変えていっていますが、インターネットと著作権というのは非常に複雑な問題を抱えています。故に、インターネットを使う人間というのは、ネットリテラシーの一環として、著作権にある程度理解が必要というのが俺の持論です。
流石に刑事罰も付いたんだから、情報教育もさぞよりよいものになっていくでしょう。(皮肉たっぷりに)
何はともあれ、刑事罰が付くのは今年の10月1日から。恣意的な使われ方がしないか、本当にどこまでが違法でどこまでが合法か議論が十分じゃないか、と思う部分は俺にもありますが、とりあえずどのように著作権法が利用されるかを見て生きたいって言うことを感じます。

ちなみに、一人暮らしをはじめてから、部屋に物が増えることに危機感を感じている俺は、違法ダウンロードの刑事罰化を機会に、電子コンテンツの拡充を望んでいます。
特に、動画に関しては、6月20日に決定した上述の著作権法改定で、DVDのリッピングも民事上アウトになった故、DVDを買ってもその動画データを携帯端末やタブレットなどに複製できないため、外で暇な時間に見るといったことが出来なくなるので、そういった携帯できる機器に向けた電子コンテンツは需要が高まると思います。
音楽業界は、そもそもCDがファングッズと思っているので知らね。Amazonでmp3販売とか既にあるから、こっちは既に結構出来上がってるのかなぁ。

時代も変われば人も社会も変わります。その変わった社会、どうなるか見ていきたいですね。

追記:
なんとなく明るく締めくくったけど、ソースの明示のためにタブ開きまくっていたのですっかり忘れていたことがあった。
日弁連が違法ダウンロードに刑罰が付くことへの反対コメントをだしていたり、俺がこの記事書こうと思ったきっかけの津田大介氏が代表理事のインターネットユーザー協会(MIAU)も反対の声明を出しているのに、日本レコード協会は歓迎コメント出しちゃってるのは非常に腹が立った。
MIAUは識者の固まりだし、日弁連だって法律のプロだぜ?そういった人達が危惧しているのに、一切こちらは危惧の気配を見せず、もろ手を挙げて喜んでいる図に見える。これはちょっとどうかと思わざるをえない。
基本的に俺のスタンスは上記の通り、悪法と判断するのはもうちょっと後からでもいいんじゃない?ってスタンスですが、叩かれるのを擁護する気は、上記のコメントを見てからさらっさら無くなった。