中1の記憶

あれは秋ぐらいだっただろうか。
サイトを作るかどうかを検討し、HTMLの基礎を、兄からもらった情報のノートで勉強している頃だったと思う。
その教科書には<br>タグが載っていなかったので、当時は全部<p>でやってた。あの無駄な時間は惜しまれるぜい。
まあそんな時期だったわけですが。

秋といってもたしか秋のくれくらいだったか。
空気が乾燥してくる季節。
理科の実験でガスバーナーを使う実験があった。
たしか水素を水上置換で試験管に採集し、火をつけると「ポンッ」となるあの実験。
実験は、クラスで5人前後の班が割り当てられており、その班で行います。
とりあえず水素を集め、ゴム栓で水素が入った試験管の口を塞ぐ所までいった。
後の工程は、マッチを構え、ガスバーナーを開けること。
ここで、マッチをつけ、ガスバーナーのうえで構える人と、ねじをゆっくりはずす人、最低二人が必要になる。
とりあえずガスバーナーを使える人が何人いるか確認したところ。
一名。そしてそれは俺。
次にマッチをつけられる人の人数を確認したところ。
一名。そして俺。
おいお前らなあ、いくらチャッカマンあるからってマッチのつけ方分からないだとか怖いだとかは流石にどうかと。
そんなわけで、俺ひとりで野郎と思うわけですが、あいにく我が母校のガスバーナーはちょっとねじがギクシャクしていて、片手でいくと精密さにかけて危険なため、やはり二人必要なんですよね。
テストで以前ガスバーナーのつけ方の手順の問題を間違ったために重点的に復習したんだよなぁ、だから俺は覚えていたのですが、お前ら覚えてないのかよ。ってかしっかりせいおい。
そういうわけで。
ガスバーナーはやり方さえ分かればまだ何とかなるけれど、マッチは直接火を扱うため、やれる人がやったほうがいいという結論に達し、俺がマッチを担当。
班員のとある女子がガスバーナー担当。

これがあの悲劇を生むのである。

ガスバーナーの使い方の手順を教え、そしてマッチをする俺。
ちょっとしけってて一発じゃあ行きませんでしたが二、三回こすってつき、それをガスバーナーの上で構えていたのですが。
ちょっとまわすほう担当がもたついてしまいまして。どうやらねじが思っていた以上に堅いらしい。
あたふたしているうちにマッチが燃え尽きてしまいました。
そして2本目のマッチを擦る俺。
ガスバーナーへと近づけます。

その瞬間。
顔面が熱くなるのを感じました。一瞬にして目の前が明るくなりました。
多分中々の高さが出ていたんじゃあないかとかいまだと思える。しゃれにならん。
しかしついた瞬間が一番たち悪いのがガスバーナー。
少し収まると速攻ねじを締めて鎮火。先生、視線が痛いです。
とりあえず班員全員は無事とのことで、一安心。
ふぅ、っと顔が暖められたせいか、あるいは冷や汗なのかは分かりませんが、とにかく額に出ていた汗をぬぐいました。
すると、ジョリジョリ、っと、なんか手の甲あたりに妙な感触が。
そういえば、焦げ付いたしいたけのようなちょっと妙なにおいがする。
前髪に触れてみると、ジョリジョリとした感触。
指先には黒い粉みたいなのがちょこちょことついておりました。

前髪が燃えた。

理解に時間は掛からなかった。でもまあ眉毛が無事だったのでそう人相が代わらなかったのでよかった。
そして放課後、ねじを回していた奴いわく、一生懸命回していたらああなったとのこと。いやまあ、うん。過失は俺にもあるし致し方ない。うん。
そして言われた言葉。
お詫びに前髪を切るとのこと。
ちょっと嫌なビジョンが浮かんだけれど、折角の厚意を無碍にするのも申し訳ないので、結局やってもらったわけですが。

ざっくりいきすぎだおい。

そんなわけで俺は他の髪とのバランスを取るため床屋へ。
その時すでに髪を切ってからあまり経っていなかったため、なんかもう髪型が変わってしまいまして。
といっても一月経って切ったら元に戻ったのでまあいいのですが。
とにかく髪型変わった機会ってのは多分これくらいしかないと思います。

記憶だとこれ、デジウェブで団長に愚痴った記憶あるなぁ。
皆さん、火器の扱いには十分な注意をしてください。